
SONY VAIO VPCCA3AJ(PCG-61812N)という古いVAIOにLinux Mintをインストールした時に「No operating system found」となってしまいました。
原因は、Linux Mintをそのままインストールすると、新しいパソコンに優しい設定でインストールしてしまうからでした。
難しく書くと、通常のインストール方法ではSSDがGPT形式になり、インストール後にエラーが発生しました。
その前に簡単に手こずったこと
USBで起動できなかった
これはライブDVDを作って、それから起動する以外の選択肢はありませんでした。
起動にも時間かかるし、作業するのもいちいちDVDから読み込んでするので時間がかかりました。
昔のノートパソコンには光学ドライブが付いていたので何とかなりましたが、メーカー品のノートパソコンはUSB起動ができない場合もあるようなので面倒です。
本題の「ちゃんと起動するインストールの仕方」
注意すること
Linux Mintのインストール時にWindowsと共存させるインストールがあるのですが、今回のやり方はLinux Mintのみをインストールします。
というとで、インストール先のドライブのデータは全消去されます。
大切なデータは必ずバックアップを取っておいてください。
また、この記事で使用しているVAIO以外では試したことのない方法なので、どのパソコンにもあってはまるかどうかは分からないです。
作業はご自身の責任で行ってください。
1. 今回の環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| パソコン | SONY VAIO VPCCA3AJ |
| 型番 | PCG-61812N |
| BIOS | R2100V2 |
| メモリ | 8GB |
| SSD | KIOXIA EXCERIA S 480GB |
| OS | Linux Mint |
| インストール媒体 | ライブDVD |
| 起動方式 | Legacy BIOS |
| パーティション形式 | MBR(msdos) |
| ブートローダー | GRUB(BIOS用) |
ライブDVDから起動
① Linux MintのDVDをドライブに入れる。
② VAIOの電源を入れ、DVDから起動する。
③ 起動メニューで次を選択。
Start Linux Mint
※「Compatibility mode」は通常起動できない場合に使用します。
④ Linux Mintのデスクトップが表示されるまで待つ。
BIOS起動か確認する
ターミナルを開き、次のコマンドを実行します。
[ -d /sys/firmware/efi ] && echo UEFI || echo BIOS
自分のVAIOでは、
BIOS
と表示されました。
BIOSと表示されることを確認してから次に進みます。
GPartedを起動
Linux Mintのメニューから「GParted」を起動します。
インストールされていない場合は、ターミナルで次を実行します。
sudo apt update
sudo apt install gparted
GPartedが開いたら、右上のディスク選択欄を確認します。
今回のSSDは、
/dev/sda
KIOXIA EXCERIA S
約447GiB
です。
※480GBのSSDは約447GiBと表示されます。
パーティション形式をMBRに変更
⚠️ ここからの操作で、SSD内のデータはすべて消去されます。
必要なデータは事前にバックアップしてください。
操作手順
① GPartedのメニューから、
Device → Create Partition Table
を選択。
② パーティションテーブルの種類を選択します。
msdos
③「Apply」をクリック。
これでSSDがMBR形式になります。
確認方法
GPartedの、
View → Device Information
を開きます。
Partition table: msdos
と表示されれば成功です。
ext4パーティションを作成
GPartedで未割り当て領域を選択します。
unallocated
① 右クリックして「New」を選択。
② 次のように設定します。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| Create as | Primary Partition |
| New size | 最大サイズ |
| File system | ext4 |
| Label | 空欄でOK |
③「Add」をクリック。
④ 上部の緑色のチェックマーク「Apply」をクリック。
これでLinux Mintをインストールする領域が作成されます。
今回の構成は、
/dev/sda
└─ /dev/sda1 ext4
です。
⚠️ EFIパーティションは作成しません。
また、今回は独立したswapパーティションも作成せず、必要に応じてLinux Mintのswapファイルを利用します。
Linux Mintのインストーラーを起動
GPartedを閉じます。
デスクトップにある、
Install Linux Mint
というアイコンをダブルクリックします。
ここから先はインストールの準備です。
言語やキーボードなどを設定して進みます。
インストール方法は「それ以外」を選択
ここが今回の重要なポイントです。
インストールの種類を選択する画面で、
「それ以外(Something else)」
を選択します。
今回は、
「ディスクを削除してLinux Mintをインストール」
は選択しません。
この自動インストールを選択した際に、GPT形式へ戻ってしまったためです。
パーティションを手動設定
一覧から、
/dev/sda1
を選択して「変更」をクリックします。
次のように設定します。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| 利用方法 | ext4ジャーナリングファイルシステム |
| フォーマット | チェックあり |
| マウントポイント | / |
ブートローダーのインストール先
画面下部にある、
「ブートローダーをインストールするデバイス」
には、
/dev/sda ATA KIOXIA-EXCERIA S (480.1GB)
を選択します。「/dev/sda」の横の「ATA KIOXIA-EXCERIA S (480.1GB)」は今回のSSDの場合です。ご使用の環境によって標示は変わります。
⚠️ /dev/sda1 ではなく /dev/sda を指定します。
これが重要です。
Linux Mintをインストール
設定を確認したら「インストール」をクリックします。
あとは画面の案内に従って進め、インストールが完了するまで待ちます。
再起動前に確認
① パーティション形式の確認
ターミナルで、
sudo parted /dev/sda print
次の表示を確認します。
Partition Table: msdos
これでMBR形式が維持されていることが分かります。
② GRUBの確認
sudo dd if=/dev/sda bs=512 count=1 2>/dev/null | strings
結果で表示される文字の中に、
GRUB
と表示されれば、SSDの先頭にGRUBの起動コードが存在することを確認できます。
※この確認だけでGRUB全体が正常に動作することまで保証されるわけではありません。
再起動
確認できたら、再起動します。
sudo reboot
とすると、DVDを取り出すようにうながされますが、Enterだけ押してDVDはそのままにしておきます。再起動した後DVDが読み込まれる前にDVDを取り出します。
これは、電源を切るプロセスでDVDを使うため、DVDを取り出してからEnterを押すと無限ループに落ちて強制電源OFFしないとだめだったのでこのように対処しました。
SSDからLinux Mintが起動すれば成功です。
もしGPartedで「Device is busy」と表示されたら
今回、GPartedでパーティションを変更する際に発生した問題です。
原因は、SSDのパーティションが使用中だったことです。
まずインストーラーを閉じます。
ターミナルで、
lsblk -o NAME,FSTYPE,MOUNTPOINTS
を実行します。
次に、
swapon –show
を実行します。
今回の作業中には、SSDのパーティションが
/target
にマウントされていました。
このような場合は、使用中のswapを停止し、マウントを解除する必要があります。
例えば、/target/swapfile が使用中なら、
sudo swapoff /target/swapfile
続いて、
sudo umount /target
を実行します。
※実際のマウント先やswapの状態に応じて操作してください。インストーラーが動作中の場合は、先に終了させます。
解除後、GPartedを開き直して操作します。
今回の成功ポイント
今回の作業で特に重要だったのは、次の5点です。
| 項目 | 成功した設定 |
|---|---|
| ① 起動方式 | Legacy BIOS |
| ② パーティション形式 | MBR(msdos) |
| ③ パーティション作成 | GPartedで手動作成 |
| ④ インストール方法 | 「それ以外」を選択 |
| ⑤ GRUBのインストール先 | /dev/sda |
最終的な構成
SONY VAIO VPCCA3AJ
│
├─ Legacy BIOS
│
└─ KIOXIA SSD 480GB
│
├─ MBR(msdos)
│
├─ GRUB(BIOS用)
│
└─ /dev/sda1
│
├─ ext4
├─ /
└─ Linux Mint
最後に
今回の経験で分かったのは、古いVAIOでは、インストーラー任せにせず、MBR形式とブートローダーの設定を自分で指定する方法が有効だったということです。
特に重要なのは、
GPartedでmsdosに変更 → ext4を作成 → インストール時に「それ以外」を選択 → GRUBを/dev/sdaへ
という流れです。
手間と時間がかかりますが、Windows10の終了のためだけでPCを買い替えるのもばかばかしいくらいにPCの性能がよいものが多いので、画像処理、動画処理、ゲーム等、スペックの高いPCが必要ではない場合は、このようにLinuxという選択肢はとてもありがたいです。